被写体の周りを、カメラがぐるりと回る。しかも手元の GPU で。@AiPhotorealGirl さんの投稿は、そんな動画です。周回の動画だけでなく、顔を揃える、ポーズを取り出す、表情を直す、動きを LLM に書かせる。X に流れてきた作例を並べると、ひとりのキャラクターを手元で仕上げる小さなスタジオが見えてきます。
まず回す: 手元の GPU で周回動画
最初は @AiPhotorealGirl さんの動画です。
これは最新の ComfyUI v.0.39.0 & RTX 4070 12GB & MiniMax-H3 360° Orbit LoRA で生成した2.0MPixel(1440x1440)の動画です。生成時間は約17分。
— AIconia | アイコニア (@AiPhotorealGirl) 2026年10月12日
ひとつ前のバージョンだと1.5MPixelでもVRAM不足になってたと思いますが、最新版では解消されて、高速化もされていて、良い感じです😊… pic.twitter.com/fpH3fNbEnn
ComfyUI v0.39.0、RTX 4070 12GB、MiniMax-H3 の 360° Orbit LoRA で、2.0MPixel(1440x1440)の動画を生成し、生成時間は約17分だったと本人は書いています 1。
ここで注目したいのはメモリの話です。本人は、1つ前のバージョンだと 1.5MPixel でも VRAM 不足になっていたと思うが、最新版では解消されて高速化もされている、と書いています 2。あくまで本人の見立てです。
ComfyUI の v0.39.0 のリリースノートには、MiniMax H3 の埋め込みの一時データをブロックの処理の前に解放する変更 3 や、MiniMax の VAE のオフロードの不具合の修正 4 が並んでいます。どの修正が本人の環境に効いたのかまでは、ノートには書かれていません。
被写体の周りを回るカメラの LoRA には、Hugging Face で配布されているものもあります。一例が MiniMax-H3 ORB360 です。配布ページによれば、写真を1枚渡すと、被写体の周りを時計回りに360度回るカメラの動画になります 5。多視点の用途には step1500 のファイルを作者が推しています 6。標準の Load LoRA ノードで MiniMax-H3 の Ref2VA に読み込んで使います 7。ライセンスは MiniMax H3 Community License Agreement です 8。@AiPhotorealGirl さんの投稿に書かれている名前は「360° Orbit LoRA」で、ORB360 という名前は出てきません。
ORB360 で漫画のコマを動かした作例は、画像・映像・音楽を手元のモデルでの記事で読めます。
揃える: 顔を固定する RefMod
次は @ai_hakase_ さんの解説スレッドの冒頭です。
【革命】LoRA学習はもう不要!?🤯✨
— ハカセ アイ(Ai-Hakase)🐾生成AI・ComfyUI (@ai_hakase_) 2026年9月30日
「MiniMax H3」で顔がブレない神技術「RefMod」が登場しました!
なんと数分で約1MBの超軽量ファイルを作るだけで、狙ったキャラクターの顔を完全固定できちゃうんです⋯!
👇️ このスレッドで解説していきます!#AI動画 #MiniMax #ComfyUI pic.twitter.com/abFa6woxKp
MiniMax H3 でキャラクターの顔を固定する手法 RefMod を紹介するスレッドです。投稿者は、数分で約1MBのファイルを作るだけで、狙った顔を「完全固定」できると紹介しています 9。具体的な手順はスレッドの続きにあります。
配布側の資料によれば、RefMod のノードは ComfyUI のカスタムノード ComfyUI-MiniMaxH3Mod で動きます 10。RefMod のモデルは重みが公開されています 11。
揃える: 周回動画からポーズを取り出す
@IsekaiBardGuild さんは、周回動画の別の使い方を見せています。
1枚の人物画からポーズを高精度で推定する ComfyUI の custom node を作ってみました
— AI Bard Guild (@IsekaiBardGuild) 2026年10月5日
MiniMax H3 360 Orbit で作った周回動画から抜き出した複数視点の画像でポーズ推定をし、深度推定 + 座標補正をします
作成したポーズは Qwen Image 2.1 のポーズ指定 workflow などで利用可能です
URL は↓… https://t.co/J2r55JigDl pic.twitter.com/94onwNl7CX
MiniMax H3 の 360 Orbit で作った周回動画から複数視点の画像を抜き出し、ポーズ推定をして、深度推定と座標補正をする ComfyUI のカスタムノードを作った、と本人は書いています 12。作ったポーズは Qwen Image 2.1 のポーズ指定ワークフローなどで使えるそうです 13。周回動画は MiniMax H3 で作る必要はなく、他のAIで作った動画や実写の映像も、要件を満たしていれば使えると本人は書いています 14。
回して終わりにせず、回した結果を次の工程の素材にする。この流れが、スタジオ感のあるところです。
Qwen-Image-2.1 は、開発元がオープンソース化したと README に書いています 15。ライセンス名は qwen-research です 16。
直す: 顔の上のハンドルで表情を動かす
顔も服もいいのに、口が開きすぎている。目線の向きが惜しい。そんなときの作例が @tkvtk さんです。
AI画像で、顔も服もいいのに
— T (@tkvtk) 2026年10月3日
「口が開きすぎてる」
「目線の向きがよくないな」
ってとき。
ComfyUIの「NKD Face Rig」は、顔の上に付いたハンドルをドラッグして表情を調整できます。
・口角を少し動かす
・結果を見る。
・違ったら戻す… pic.twitter.com/puQpLq6LQB
本人によれば、ComfyUI のノード「NKD Face Rig」は、顔の上に付いたハンドルをドラッグして表情を調整できます 17。表情を表す言葉や数値を探すより、直したい場所を直接触れるのが便利だ、とも書いています 18。LivePortrait の表情操作をこの操作画面で扱えるようにしたノードだそうです 19。アニメ顔でも実写顔でも使えることを確認した、とも書いています 20。
NKD Face Rig のライセンスは MIT です 21。LivePortrait のコードも MIT です 22。
設定画や表情の下描きを手で描いてから直すなら、ペンタブレットがあると流れが作りやすそうです。
動きは LLM に書かせる
最後は @haribote0073 さんの投稿です。
LLMにプロンプト書いてもらってますがサブPCにRTX4070積んだのでQwen-3.8 27B Q4だとやっぱりクオリティ上がりますね。
— カピバラVR@unityゲーム制作 (@haribote0073) 2026年10月11日
内臓GPUだと9B Q3が精一杯だったので。
手を振って1回転してまた手を振ってジャンプして屈伸する。という指示だけで添付動画が出来ました。 pic.twitter.com/WWFWY13uvW
プロンプトは LLM に書いてもらっていると本人は書いています 23。「手を振って1回転してまた手を振ってジャンプして屈伸する」という指示だけで、添付の動画ができたそうです 24。動画を作ったツールは、投稿には書かれていません。
ここにもメモリの話があります。サブPCに RTX4070 を積んだので、Qwen-3.8 27B の Q4 にしたらクオリティが上がった、と本人は書いています 25。内蔵GPUでは 9B の Q3 が精一杯だったそうです 26。Qwen3.8-27B は、パラメータ数が 27B で 27、ライセンスは Apache-2.0、重みが公開されています 28 29。
商用に使うなら
MiniMax H3 は、ローカルで作った生成物の商用利用に MiniMax の商用ライセンスが必要だとされています 30。作ったキャラクターを売りに出す予定があるなら、先に公式の条件を読んでおくのが安心です。
自分の机でやるなら: メモリの話
ここまでの作例には、メモリに触れる投稿がありました 2 26。前の版では VRAM 不足だったと思うという投稿と、内蔵GPUでは 9B が精一杯だったという投稿です 26。
NVIDIA が RTX Spark について言っていることを見ておきます。
- NVIDIA の製品ページによれば、最大 128GB の統合メモリで、最大 90GB の 3D シーンを扱えます [[F100]] [[F141]]。
- 同じページで NVIDIA は、画像や動画を自分のデバイスで、好きなだけ生成できると説明しています。サブスクリプションも、プロンプトごとの料金もありません [[F101]]。
- NVIDIA の製品ページによれば、最大 120B パラメータのモデルを、1M のコンテキストで動かせます [[F103]]。
ComfyUI については予定の話です。NVIDIA は、RTX Video Frame Generation を ComfyUI に提供する予定で、この更新は RTX Spark とともにこの秋に届くとしています 31。ComfyUI の共同創設者 Yannik Marek 氏の談話は、NVIDIA のブログ(日本語版)に載っています。ComfyUI のユーザーは、複雑なマルチモーダルのワークフローを実行し、ポータブルなデバイス上でかつてないスピードで超高解像度の画像とビデオを生成できるようになる、という将来形の話です 32。
ここで紹介した投稿の本文には、RTX Spark 搭載機で作ったという記述はありません。MiniMax H3 や RefMod、ORB360、NKD Face Rig、Qwen3.8-27B などを RTX Spark 搭載機で使いたい場合は、先にそれぞれの公式情報で対応環境を確かめてください。
RTX Spark 搭載機の例です。
周回動画や多視点の画像がたまってきたら、置き場所を用意しておくと安心です。
次に読む
MiniMax H3 を手元で量産する話は、寝ている間に動画が増えていくの記事へ。ORB360 で漫画を動かす話は、画像・映像・音楽を手元のモデルでの記事に続きます。
