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作例 · 2026年11月4日

アニメもゲームも、AI で作る人が目に付く — 手元で回す VAE と 3D 生成、24時間のゲーム

夜の机に置かれたノート PC。画面のアニメ調の風景から光の帯が伸び、光の粒でできた宝箱を経て、木と門のある小さな浮島のゲームステージへつながっていく。手前にはゲームコントローラーとペンタブレット。文字やロゴはない

同じ動画でも、デコードに使う VAE を替えると、塗りの仕上がりが変わる。鈴木憂一さん(@yu_ichi_suzuki)が試したのは、アニメ塗りに特化した VAE「Minimax H3 Seamless Anime VAE」です 1。VAE は、生成した latent を絵にデコードする部分のことだと本人は書いています 1。MiniMax H3(ローカル)で作った 1088p の動画を、公式 VAE・Sol-VAE と合わせた 4 種類でデコードして比べています 2。

結果は、平らな塗りの部分のむらが明らかに減る、というものでした 3。線の鋭さはそのままで、線画のジャギーや線のアンチエイリアスもきれいになった、と書いています 4。ただ、仕上がりがセル画っぽく均一になるので、いつも使うのがいいとは限らない。質感を残したいなら最適解ではないかも、とも言っています 5。均一なセル塗りや、きれいな線がほしい人には合いそうだ、と見ています 6。

デコードにかかった時間も載っています。条件は RTX 5090・1088p・約 10 秒と書かれていて、公式は 50 秒、Sol は 7 秒、Seamless の fp16 は 49 秒、int8 は 24 秒です 7。fp16 と int8 のうち、int8 の方が速く、見た感じ差も感じられないので int8 でよさそう、と結んでいます 8。

同じ場所を、速さで替える人と、絵柄で替える人

このポストを引用して、Phantom さん(@Phantom_202601)がこう書いています。「VAE を差し替えるだけで、H3 の絵がアニメ塗りになる」 9。この VAE が替えるのは、生成した latent を絵にする最後の工程だけだ、と Phantom さんは説明しています 10。

面白いのは、その先です。Phantom さん自身は、LightVAE でデコードを半分にしたそうです 11。そして「同じ場所を、速さでなく絵柄で替える発想」と並べます 12。同じデコードの場所を、ある人は速さのために、ある人は絵柄のために替えている。この対比が、今週の作例でいちばん面白いところです。

一次資料も見ておきます。Seamless Anime VAE の配布ページによれば、MiniMax H3 の公式 fp16 VAE を微調整したものです 13。狙いには、幅広い 2D イラスト・アニメの画風での再現を良くすること 14。鋭い輪郭のぼけ・にじみを取り除き 15、ベタ塗り部分の細かな色のちらつきを減らす、とあります 16。ライセンスは MiniMax H3 のコミュニティライセンスです 17。

LightVAE の側は、動画の VAE を、元の latent のやりとりを保ったまま小さくする仕組みです 18。MiniMax-H3 向けに、軽くした Lite のエンコーダーとデコーダーがあり、ComfyUI にネイティブに組み込めます 19 20。ライセンスは Apache-2.0 です 21。

MiniMax H3 本体は重みが公開されていて、手元で動かせる、と ComfyUI のドキュメントにあります 22。手元で作ったものを商用に使うなら、MiniMax の商用ライセンスが要ります 23。

アニメの設定画やネームを手で描いてから動画に回す人なら、ペンの出番はその手前かもしれません。

絵から、立体へ

動画の次は、立体です。Kemono-chan さん(@asdfg21_snivy)は、ローカルで動く 3D モデル生成 AI「Idol」を試した、と動画付きで報告しています 24。VRAM 8GB でも動いて、生成時間は 45 秒と速い 25。無料の 3D 生成 AI にしては良い感じ、とのことです 26。

Idol は、前回の ComfyUI で作る人たちの今週 でも紹介しました。Nobin さん(@NobinLOG)は ComfyUI で使えるようになったと書いていて、ポリゴンメッシュではなくガウシアンスプラットで、背面は AI の推定だと注意も添えています 27 28 29。

開発元の説明では、一般向けの GPU で動き、使う VRAM は 7.2GB です 30。最低要件ではなく、使う量の説明です 30。画像 1 枚から 3D のガウシアンスプラットを作り、標準の .ply で書き出します 31。ライセンスは Apache-2.0 32、ComfyUI 向けの配布もあります 33。

24 時間で、完全オリジナルのゲーム

その流れの先にあるのが、Shikhar さん(@xikhar)の報告です。AI を使って 24 時間で完全オリジナルのゲームを作った、と書いています 34。

使った構成は、Opus 5.5 + Flux 3 Max + GPT Image + Tripo + Blender + Three.js 35。「今や誰でもゲームを作れる」は本人の言葉で、手順とプロンプトはスレッドに載せているそうです 36 37。

この構成は、全部を手元で回しているわけではありません。Opus 5.5 の提供先は、Claude Platform などクラウドです 38。Tripo は、インストール不要でブラウザ上で動くサービスです 39。いっぽう Blender は手元で動き 40、three.js は MIT ライセンスです 41。少なくとも一部はクラウドのサービス、一部は手元で動く道具、という組み合わせです。

ただ、ゲームづくりに出てくる作業のうち、絵から 3D を起こす作業や、コードを書く作業には、手元の PC で回した報告も出てきています。前者は上の Idol、後者は次の PC Watch の例です。

手元の PC で回すなら

PC Watch が ASUS ProArt P14 を試した記事には、Shikhar さんの構成と同じ Three.js が出てきます 42。オープンウェイトの Qwen3.8-Flash-Next がすんなり導入でき、難度の高いコーディングをこなせた、と PC Watch は書いています 43。「Three.js で空中庭園の 3D CG を作って」という 1 行の指示に、20 トークン/秒以上でコードを書き、15 分ほどで想像に近い 3D グラフィックスを出力した、とのことです 42。この機種・この構成での PC Watch の結果です。

別の機種、ASUS ProArt P16 の検証では、Blender の OptiX による GPU レンダリングが、公開ベンチマークに照らして単体 GPU のミドルレンジに比肩する、と PC Watch は書いています(バージョンが違うので参考比較) 44 45。

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NVIDIA によれば、RTX Spark は最大 128GB の統合メモリで最大 90GB の 3D シーンを扱え、OptiX や DLSS でレイトレーシングのビューポートが軽く動きます 46。画像や動画も、サブスクリプションなし・プロンプトごとの課金なしで、手元で生成できるとしています 47。予定の話もあります。NVIDIA は、Blender に DLSS 4.5 Ray Reconstruction が入り、ComfyUI に RTX Video Frame Generation が来ると発表し、どちらも RTX Spark とともにこの秋に届ける、としていました 48 49。

クラウドと手元の組み合わせについては、国内発表会の報道で、NVIDIA は、ローカルで AI エージェントを実行しつつ、必要に応じてクラウドのフロンティアモデルと組み合わせる使い方もできると説明した、と PC Watch が伝えています 50。

今週の作例のツールを自分の机で回したいときは、使いたいモデルやノードの対応環境を、それぞれの配布ページで先に確かめてください。鈴木さんの比較は RTX 5090 での話です 7。

RTX Spark 搭載ノートを探すなら、こちらです。

作ったゲームを、ちゃんと遊んで確かめたくなったら、手に馴染むコントローラーがあると助かります。

次に読む

ComfyUI の画面から出てきた作例は、ComfyUI で作る人たちの今週 へ。3D の世界を遊べる形にする話は、遊べる 3D の世界をエージェントと作る へ。映像と音楽をひとりで組む話は、ひとりで MV を作る へ。

出典

  1. @yu_ichi_suzuki のポストアニメ塗りに特化した VAE(生成した latent を絵にデコードする部分)が出たので試してみました。
  2. @yu_ichi_suzuki のポストMiniMax H3(ローカル)で作った 1088p の動画を公式VAE・Sol-VAE と合わせて 4 種類でデコードして比べてみました。
  3. @yu_ichi_suzuki のポスト平らな塗りの部分のむらは明らかに減ります。
  4. @yu_ichi_suzuki のポスト線の鋭さはそのままで、線画のジャギーや線のアンチエイリアスもきれいになっていました。
  5. @yu_ichi_suzuki のポストただ、仕上がりがセル画っぽく均一になるので、いつも使うのがいいとは限らないと思います。質感を残したい場合には最適解ではないかも。
  6. @yu_ichi_suzuki のポスト均一なセル塗りや、きれいな線がほしい人には合いそうです。
  7. @yu_ichi_suzuki のポストVAEのデコードにかかった時間(RTX 5090・1088p・約 10 秒) 公式 50 秒/Sol 7 秒/Seamless fp16 49 秒/Seamless int8 24 秒
  8. @yu_ichi_suzuki のポストfp16とint8がありますが、int8の方が速く、見た感じ差も感じられないのでint8でよさそうです。
  9. @Phantom_202601 のポストVAEを差し替えるだけで、H3の絵がアニメ塗りになる
  10. @Phantom_202601 のポスト生成したlatentを絵にする最後の工程だけを替える。
  11. @Phantom_202601 のポスト当方はLightVAEでデコードを半分にした。
  12. @Phantom_202601 のポスト同じ場所を速さでなく絵柄で替える発想。
  13. Minimax H3 VAE (Fine-tuned): https://huggingface.co/dully3865/Minimax_H3_seamless_anime_VAE/raw/main/README.mdfine-tuned from the official fp16 VAE
  14. Minimax H3 VAE (Fine-tuned): https://huggingface.co/dully3865/Minimax_H3_seamless_anime_VAE/raw/main/README.mdimproved reconstruction across a wide range of 2D illustration and animation styles.
  15. Minimax H3 VAE (Fine-tuned): https://huggingface.co/dully3865/Minimax_H3_seamless_anime_VAE/raw/main/README.mdremoves blurring and smudging along sharp edges.
  16. Minimax H3 VAE (Fine-tuned): https://huggingface.co/dully3865/Minimax_H3_seamless_anime_VAE/raw/main/README.mdreduces subtle color jitter in flat-shaded areas.
  17. Minimax H3 VAE (Fine-tuned): https://huggingface.co/dully3865/Minimax_H3_seamless_anime_VAE/raw/main/README.mdlicense_name: minimax-h3-community-license-agreement
  18. LightVAE: https://huggingface.co/lightx2v/LightVAE/raw/main/README.mdLightVAE compresses video autoencoders while preserving their original latent interfaces, allowing compressed components to be paired with the corresponding original components.
  19. LightVAE: https://huggingface.co/lightx2v/LightVAE/raw/main/README.mdindependently block-pruned Lite encoder and decoder, with native ComfyUI integration.
  20. LightVAE: https://huggingface.co/lightx2v/LightVAE/raw/main/README.mdreuses ComfyUI’s native H3 VAE
  21. LightVAE: https://huggingface.co/lightx2v/LightVAE/raw/main/README.mdlicense: apache-2.0
  22. MiniMax H3: ComfyUI MiniMax H3 Video Generation Guide - ComfyUIH3’s open weights let you run the model locally.
  23. MiniMax H3: ComfyUI MiniMax H3 Video Generation Guide - ComfyUICommercial use of locally generated outputs requires a MiniMax commercial license
  24. @asdfg21_snivy のポストローカルで動く3Dモデル生成AIの「Idol」を試してみた。
  25. @asdfg21_snivy のポストVRAM 8GBでも動いて生成時間も45秒と高速。
  26. @asdfg21_snivy のポスト無料の3D生成AIにしては良い感じ。
  27. @NobinLOG のポストIdolは、1枚の画像から360度回転して見られる3Dオブジェクトを生成するAIモデルです。
  28. @NobinLOG のポストComfyUI公式が使いやすい形式に変換して配布しています。
  29. @NobinLOG のポストGaussian Splat(3Dガウシアンスプラット)で、Blenderなどで通常使用するポリゴンメッシュとは異なるのと背面はAIの推定なのでキャラや対象が再現される保証はありませんとのこと。
  30. Idol: https://huggingface.co/speridlabs/idol/raw/main/README.mdIt runs on consumer GPUs, using 7.2 GB of VRAM and can run in under 2 seconds.
  31. Idol: https://huggingface.co/speridlabs/idol/raw/main/README.mdit removes the background, frames the object and generates up to 1,048,576
  32. Idol: https://huggingface.co/speridlabs/idol/raw/main/README.mdlicense: apache-2.0
  33. Idol: https://huggingface.co/Comfy-Org/Idol/raw/main/README.mdRepackaged model files for ComfyUI.
  34. @xikhar のポストI made a full original game in 24 hours using AI
  35. @xikhar のポストStack: Opus 5.5 + Flux 3 Max + GPT Image + Tripo + Blender + Three.js
  36. @xikhar のポストAnyone can make games now.
  37. @xikhar のポストFull workflow thread and prompt below:
  38. Claude Opus 5.5: Claude Opus \ AnthropicOpus 5.5 is available on the Claude Platform natively, and in Amazon Web Services
  39. Tripo AI: Tripo AI 3Dモデルジェネレーター | テキスト&画像から数秒で3Dに変換インストールは必要ありません。Tripoはブラウザ上で完全に動作します。
  40. Blender: Download — BlenderCompatible with Windows 11, 10, and 8.1
  41. three.js: https://raw.githubusercontent.com/mrdoob/three.js/dev/LICENSEThe MIT License
  42. NVIDIA RTX Spark: 【Hothotレビュー】128GBの統合メモリで大型ローカルAIを動かす。RTX Spark搭載「ProArt P14」 - PC Watchここで試しにたった1行「Three.jsを使って空中庭園の3D CGを作って」と指示してみると、20トークン/秒以上の速度でコーディングし、15分ほどで想像していたものに限りなく近い3Dグラフィックスを出力した。
  43. NVIDIA RTX Spark: 【Hothotレビュー】128GBの統合メモリで大型ローカルAIを動かす。RTX Spark搭載「ProArt P14」 - PC Watchたとえばオープンウェイトモデルとして最近人気のQwen3.8-Flash-Nextが、ProArt P14なら(小細工なしに)すんなり導入でき、難度の高いコーディングをこなすことができる。
  44. NVIDIA RTX Spark: 【Hothotレビュー】64GBのRTX Sparkで何ができる?LLMから動画生成まで徹底ベンチ! - PC Watchバージョンが異なるため参考比較になるが、公開ベンチマークに照らしても、単体GPUのミドルレンジに比肩する性能だ。
  45. NVIDIA RTX Spark: 【Hothotレビュー】64GBのRTX Sparkで何ができる?LLMから動画生成まで徹底ベンチ! - PC Watch3D制作では、BlenderのOptiXによるGPUレンダリングを実行した。monsterが1,939.23、junkshopが1,493.87、classroomが1,381.57samples/minとなった。
  46. NVIDIA RTX Spark: Slim Laptops & Small Desktops | NVIDIA RTX SparkBuild worlds, not workarounds. Up to 128 GB of unified memory handles 3D scenes up to 90 GB, and RTX-exclusive features like OptiX and DLSS keep the ray-traced viewport moving as fast as you do.
  47. NVIDIA RTX Spark: Slim Laptops & Small Desktops | NVIDIA RTX SparkGenerate images and video right on your device, as often as you like. No subscription. No per-prompt fees.
  48. Blender: Faster Local AI Agents on RTX PCs and DGX Spark | NVIDIA BlogAdobe is rearchitecting its Photoshop and Premiere apps, Blender is adding NVIDIA DLSS 4.5 Ray Reconstruction, and NVIDIA unveiled RTX Video Frame Generation, which will be coming to ComfyUI. All these updates arrive this fall with RTX Spark.
  49. ComfyUI: Faster Local AI Agents on RTX PCs and DGX Spark | NVIDIA BlogAdobe is rearchitecting its Photoshop and Premiere apps, Blender is adding NVIDIA DLSS 4.5 Ray Reconstruction, and NVIDIA unveiled RTX Video Frame Generation, which will be coming to ComfyUI. All these updates arrive this fall with RTX Spark.
  50. NVIDIA RTX Spark: スパコン級チップがノートPCに。RTX Sparkが日本で6社から登場 - PC WatchローカルでAIエージェントを実行しつつ、必要に応じてクラウドのフロンティアモデルと組み合わせるハイブリッドな使い方も可能だとした。

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